バスの乗客

バスには(当然だが)色んな人が乗っている。大声を出す人もいれば、人目を憚らずイチャつく人もいる。

 

人それぞれだ。

 

だが、一番忘れられない人がいる。

それは、優先席に座り、左手に缶チューハイ、右手に柿の種(ペットボトルに入ったやつ)を持ったお爺さんだ。柿の種をジャラジャラと口に入れては、缶チューハイで流し込む。ジャラジャラ、流し込む。

 

何という自由だろう。

 

やりたいことをやる。誰に何と言われても。

肩がそう語っていた。

 

僕の、憧れであった。