長屋紳士録を観る
ちょっと夜中にサクッと見れるのはないかな…とアマプラを探してみて、サクッと黒澤映画はないわな~などと見ておったら小津映画で60分くらいのがあったのでサクッと見るつもりでポチッとしたら。
とんでもない映画でした。
子どもの演技が、なんか下手やな~と思いつつも、いや待てよ、子どもってこんな感じやわ。とか、超絶若い笠智衆がイケメンだったり。写真屋が殿山泰司だったり。とか。
そんなことじゃなくて、テーマがいろいろ詰まりまくってるけど、きれいに昇華されて、上空で融合している映画。まず、戦後直後の風景。そして戦争孤児を思わせる子ども。このあたりで「あ~暗い映画なのかな」と思わせる。
でも、おたねおばさんと子どもの会話だったりまわりの大人が見守る様子(これがまた演技がうまい)だったりで、笑えてくる。いや、めちゃくちゃ笑える。シンプルな笑いであって、誰も傷つけない笑い。
そして、悲劇、ヒューマニズム、良心のフェーズに入ってくる。今度は泣けてくる。これがほんの10分くらいで急展開するけど、とても自然な流れ。子ども向けの伝記のようなスピード感。端折られてるけど、自然。達人の技。
思いがけずいい映画を見たな~。よかった。日本にこんなのがあったんだ~。